FP2級 2023年5月 実技(金財:個人)問1

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問1

Mさんは、Aさんに対して、公的年金制度の遺族給付および遺族年金生活者支援給付金について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
  1. 「Aさんが現時点(2023年5月28日)において死亡した場合、妻Bさんは遺族基礎年金および遺族厚生年金を受給することができます。遺族基礎年金を受給することができる遺族の範囲は、国民年金の被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維持されていた『子のある配偶者』または『子』です。『子』とは、18歳到達年度の末日までの間にあるか、20歳未満で障害等級()に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻していない子を指します。子のある配偶者の遺族基礎年金の年金額(2022年度価額)は、『777,800円+子の加算額』の算式により算出され、子の加算額は、第1子・第2子までは1人につき□□□円、第3子以降は1人につき□□□円となります。仮に、Aさんが現時点(2023年5月28日)で死亡した場合、妻Bさんが受給することができる遺族基礎年金の年金額は、()円(2022年度価額)となります。また、妻Bさんは遺族年金生活者支援給付金も受給することができます。その年額は()円(2022年度価額)となります」
  2. 「Aさんが厚生年金保険の被保険者期間中に死亡した場合、遺族厚生年金の年金額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の()相当額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たないときは、300月とみなして年金額が計算されます」
  1. イ.1級、2級または3級
  2. ロ.1級または2級
  3. ハ.3級
  4. ニ.48,240
  5. ホ.60,240
  6. ヘ.72,240
  7. ト.927,000
  8. チ.1,076,200
  9. リ.1,225,400
  10. ヌ.3分の2
  11. ル.4分の3
  12. ヲ.5分の4

正解 

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。年金法上の「子」とは、以下のいずれかに該当する者で現に婚姻していない子を指します。
  1. 18歳到達年度末日までの間にある
  2. 20歳未満で障害等級1級または2級の障害状態にある
よって、正解は[ロ]の1級または2級になります。

〔②について〕
遺族基礎年金の額は「基本年金額+子の加算」で求めます。2022年度の基本年金額は777,800円、子の加算は1人目・2人目の子は223,800円、3人目以降の子は74,600円です。Aさんには11歳と9歳の2人の子がいるので、遺族基礎年金の額は、基本年金額に子2人の加算額を加えて、

 777,800円+223,800円+223,800円=1,225,400円

よって、正解は[リ]の1,225,400(円)になります。

〔③について〕
遺族年金生活者支援給付金は、遺族基礎年金を受給している人が前年の所得が一定額以下である場合に支給される遺族年金の加算給付です。支給額は一律で月々5,020円(2022年度価額)なので、年額換算では「5,020円×12カ月=60,240円」となります。正確な金額が計算できなくても、およそ月額5,000円という知識がベースにあれば正答を導けるはずです。
よって、正解は[ホ]の60,240(円)になります。

※4,721,000円+扶養親族の数×38万円

〔④について〕
遺族厚生年金額の額は、死亡した者の厚生年金の加入記録をもとに計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額です。被保険者期間が短いと金額が少なくなってしまい十分な遺族保障が得られないので、被保険者期間が300月未満の場合は、300月とみなして報酬比例部分の額を計算することになっています。
よって、正解は[ル]の4分の3になります。